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大舞台に臨んだ経験

数年前には、ダミー・チュウのデザイナー、サンドラーチョイが、弊社はマーケティング資金を全部アカデミー賞授賞式に注ぎ込んでます、と言っていた。そして、そうした現実世界におけるプロダクトープレイスメントが功を奏し、この会社は従来の広告をほとんど打たずに人気ブランドになれたのである。デザイナーのパメラーデニスもかつてこう語っている。「セレブにドレスを着せるのは、三万ドルの広告を打つようなもの。スターがイベントにドレスを着ていってくれたら、たちまち売上が伸びるのよ」。その「イベント」がアカデミー賞授賞式なら、金銭的な見返りはそれこそ青天井というわけだ。各企業とも、トップークラスのセレブに真っ先に自分たちの服を見てもらおうと必死である。フィルムーファッションのスーザンーアッシュブルック社長は、いち早くセレブヘのクライアントの売り込みを開始する。この会社は、候補者とプレゼンターが発表される日に、クライアントに代わって「スタイルーブック」を携えて特定のセレブに接近するのだ。絶対に外せない女優をつかまえるため、デザイナーは授賞式の一週間前にロス入りし、世界一高価なフリー・マーケットを開く。今年は、プラグを含むファッション企業二四社がビヴァリー・ヒルズの超シックなホテル、レルミタージュのスイートルームを押さえようと大騒ぎしたあげく、そこでVIPとそのスタイリストだけを対象にした派手なショールームを開いた。「アカデミー賞授賞式とゴールデンーグローブ賞授賞式に関しては、もう、バカじやないかと思うね。みんな、九月、一〇月からうろつき始めるんだから」。そう言うフィリップーブロックには、ハルーペリーやサルマーハエックといったスターのスタイリストとして、こうした大舞台に臨んだ経験がある。