店頭に商品が並ぶまで、その商品はどのような経路をたどるのだろうか。直営店やFC店などの小売機能を持つアパレル・メーカー、アパレル部門を持つテキスタイル・メーカー、原料から製品販売までの多面的機能を持つ商社などは、実際のところ、より複雑なファッション流通構造となっているが、ここでは基本的な流れを見てみよう。第一段階は、糸である。原料の入手から紡績に関わる企業は、ファッション・サイクルのような短期の動き方はしない。糸値の相場や需給動向を見ながら、テキスタイル・メーカーヘの糸の供給を行なう。ニット専業のアパレル・メーカーも、比較的早期から糸を確保している。通常のアパレル・メーカーの生地発注は、店頭投入の六ヵ月前に行なわれる。生地の選定・発注はマーチャンダイザーの仕事である。この時重要なのは、素材の選定だが、それ以上に重要なのは、型数の設定から導き出される反物の量の決定だ。多すぎればロスになるし、少なすぎれば機会損失につながるからである。デザイナーによって具体的な商品内容が決まったら、いよいよ工場出しの段取りとなる。アパレル・メーカーが、小売店対象に行なう展示会は年六〜八回。商談が成立してはじめて、商品の納入先が決まるというわけである。